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薬師寺境内 淡墨桜の管理保全について

薬師寺 写経道場前の淡墨桜は、一本桜で、昭和51年に岐阜県梶尾村から苗木を寄進された桜です。それまで見事な花を毎年披露していたその桜に陰りが見え始めたため、樋口一匠園に、ご相談を頂いたのが平成14年頃のことです。その原因追及から、桜が元気に回復するまでの経過を写真を交えて以下、ご紹介させて頂きます。

 
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薬師寺 写経道場前 淡墨桜
 

淡墨桜の危機

今を去ること平成14年頃、写経道場前の『淡墨桜が上部1/4くらいから徐々に枯れてきた』と執事の方からご相談を頂きました。私どもの経験から、桜の根に原因があるのではと考え、土壌を入れ替えることにしました。土を掘ってみると地面から約2メートル辺りの土は腐り、根は枯れ、根腐れを起こしている状態でした。まずは、桜の根本付近を活性化させるため、4トン車5台分もの山土に、バーク(剪定枝を砕いたもの)と土壌改良剤2トン車2台分を混ぜ合わせた土を作り腐っている土壌と入れ替え、太根を切り取り、そこから新しい根が出るように切り口周辺に、バーク堆肥と土壌改良剤を多めに入れました。

復活した淡墨桜

続けて、1ヵ月に2回、EB−aとバイオビリオンを散布し、肥料は多い目に与えるようにしました。また、桜は水切れを起こすと葉焼けを起こし、生育が弱り、最悪の場合枯れてしまうことがあります。夏場に紅葉ではありませんが、葉色に異常を感じたら水切れの可能性が考えられます。夏場は特にたっぷり水を与えるようにします。更に踏圧(人が歩くことで、地面が固まる)で土が硬くならないように、掃除に使う熊手の柄を長くするなど、日常の除草作業や散水作業にも十分な注意を払って手入れを行って参りました。 今では、この淡墨桜は写経道場の屋根が見えないくらいに元気に回復してくれ、毎年、春の開花が楽しみになっております。
 

マルチングとは

畑をされている方ですと、『マルチ』と言えば、黒いビニールを耕した畝にかぶせる事を思い浮かべられると思いますが、『マルチング』とは、剪定枝・葉をチップ状(バラバラに砕いたもの)『バーク』にしたもので、樹木の根元を覆い隠すと言うものです。マルチングの効用は沢山有りますが、中でも土壌の乾燥防止には大きな効果を発揮いたします。また、日差し、特に夏の強い日差しによる土中温度の上昇を防ぐ効果もあり、土壌を常に樹木に快適な状態に保つ効果があります。

山々と同じ環境を再現

更に、この『マルチング』に使われる剪定枝・葉をチップ状にした『バーク』は、月日が経てば腐り、丁度、山々の落ち葉や枯れ木が地表に堆積し、たい肥となるのと同じ効果が得られるのです。たい肥は、月日と共に樹木の根の育成に適した肥沃で柔らかな土壌に変化して行きます。このように『マルチング』は、樹木の管理保全に大きな効力を発揮いたします。

 

改良された土壌

薬師寺の淡墨桜が育つ土壌も『マルチング』により、肥沃で柔らかな土壌へ改良されています。

マルチングの効果

半年後、マルチングを施した淡墨桜の土壌を軽く掘ってみました。細根(白根)がびっしり生え、マルチングの効果を確認することが出来ます。

 

自然に優しい再利用の実施

樋口一匠園では、自然のものは自然に返すことが自然に一番大切な事と考え、保全管理で出た剪定枝葉等をチッパー(粉砕機)で粉砕し、バーク堆肥を作り、桜は勿論、他の植物にも再利用しております。実際、植物にとってこれが一番の肥料とも言えます。

施肥

肥料は冬期に寒肥を花後には、お礼肥として施肥します。また、肥料とバークを混ぜて施肥箇所を多くしてやると土壌改良にもなります。

 
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Landscape Gardener Higuchi Issyouen